タイトルにもある通り、Local by flywheel というツールを使って WordPress のローカル開発環境を作成する方法です。ボタン一つで作れるので、WordPressに限れば、MAMPやXAMPPを使うよりも楽に作れます。
インストール
まずは Local by Flywheel を公式サイトからダウンロードして、インストールしてください。
WordPress の新規追加
(1)左下の「➕」マークのボタンをクリック
(2)サイト名とパスを設定
ADVANCED OPTIONS をクリックすると、細かい設定が行えます。
- Local site domain … アクセスするURLです。デフォルトではサイト名.localが入ります。
- Local site path … WordPress がインストールされるディレクトリです。これは変更できないようです(2020/08)
- Create site from Blueprint … 構築の環境設定などを保存したテンプレートを使用します。最初は無いと思うので、「Don`t use a Blueprint」で良いでしょう。
(3)環境設定
WordPress の環境を設定します。
- Preferred … 推奨設定を使用します。特に理由が無ければこちらで良いでしょう。
- Custom … カスタム設定
Custom を選択すると、PHPバージョン、サーバー、データベースをそれぞれ設定することができます。これは構築後変更できないようなので、しっかり選択しましょう(2020/08)
(4)ユーザー情報設定
ユーザー名、パスワード、メールアドレスを設定します。
ADVANCED OPTIONS をクリックすると、細かい設定が行えます。
- Is this a WordPress multisite? … マルチサイト機能を使うなら Yes にします。よく分からなければ No で良いでしょう。
(5)SSL化
サイトを構築後、対象のサイトを選択します。サイトをセキュアにしておくため、証明書を設定します。
タブ「SSL」 > TRUST をクリック するだけで https にすることが出来ます。
場所の確認
作成した WordPress のローカルパス
/Users/ユーザー名/Local Sites/
上記の場所に Local で作成したすべての WordPress のプロジェクトが入っています。画像のパス部分をクリックすれば、そのサイトが格納してあるディレクトリを開くことができます。
ドキュメントルート
<WordPressプロジェクト>/app/public
上記の場所に WordPress のコアファイルが入っています。サイトのルートとなるディレクトリです。あとはこの中に入っているwp-content/themes/
に自分のテーマを作成していきましょう。
細かい設定
WordPress のバージョンを変更したい
デフォルトではWordPressの最新版が入るようになっています。調べてみましたが、任意のバージョンをインストールする設定などは無いようです。もし任意のバージョンを入れたいなら、下記の手順でバージョンを下げます。
- Local で新規WordPress追加
- 追加した WordPress を選択し、
DATABASE
タブに切り替える - そのタブのすぐ下にある
ADMINER
を押すと adminer.php が開き、DBのテーブルが表示されるので、全てにチェックを入れて、削除(DROP TABLE)ボタンを押す。 - 次にドキュメントルートのフォルダまで行き、wp-config.php 以外の WordPress コアファイルを削除する。場所は、
Windows …/Users/YOURUSERNAME/Local Sites/YOURWORDPRESS
Mac …/Users/YOURUSERNAME/Local Sites/YOURWORDPRESS
(もし見つからなければ、Local Sites
でフォルダ検索をかけると良いかもしれません) - 任意のバージョンの WordPress のコアファイルをこちらからダウンロードし、先程のディレクトリにすべて入れる
- 最後に、
/wp-admin
にアクセスしてユーザー情報を入力する
既存のWordPressをローカル環境に移したい
今すでに運営している WordPress を Local に移すには、WebサーバとDBサーバのデータを保存する必要があります。
まず新規でローカルサイトを構築する
Local から新規 WordPress を立ち上げます。この時に入力するサイト名、ユーザー情報などは後で破棄されるので何でもいいです。
Webサーバのデータをコピーする
まず Filezilla などの FTP クライアントを使用するなどして WordPress に必要なファイルをダウンロードしてください。とりあえずドキュメントルートのファイルを全てダウンロードすれば問題無いでしょう。
ダウンロードしたら今回 Local で作ったプロジェクトのドキュメントルート(/app/public/)まで移動し、wp-config.php を除く全てのファイルを削除してください 。その後で、先程ダウンロードしたWebのデータをこちらに入れます。この時、wp-config.php だけはコピーする必要はありません。
DBサーバのデータをコピーする
DB のデータを落とすときは、WordPress プラグイン「Migrate DB」を使うと簡単にエクスポートすることができます。
もしそれが使えなければ、adminer.php や phpmyadmin のようなウェブクライアントソフトを使用するか、ウェブサーバーのコントロールパネル、SSHなどで接続してデータをエクスポートします。
エクスポートできたら、Local のパネル「Database」> OPEN ADMINER をクリックし、adminer.php に飛びます。
「インポート」> ファイルをアップロード で sqlファイル選択、実行します。
URL の置換
サイトにアクセスしたときに本番サイトのページに飛んでしまう場合は、URLの置換が行えていない可能性があります。そのため、adminer.php から wp_options テーブルを確認します。
サイドナビ「wp_options」> siteurl と home
option_name カラムから home と site_url の行を探します。
URL の部分を Ctrl + クリック で編集することができます。こちらのURLはそれぞれローカルのURLに変更しましょう。
修正出来たら Ctrl + Enter か、ページ下部にある「保存」ボタンをクリックします。
まだ挙動がおかしいとき
- .htaccess で本番サイトに向けたリダイレクトを記述している
- DB 内で置換が必要がパスがある(あるとすれば wp_options、wp_postmeta あたり)